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思い出した絵から-雑感 [水彩画]

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 最近、ふと、思い出したことです。画家・東平哲弥の個展が、終わったのは、去年の
暮れでした。
 左の写真が会場の「児童絵本美術館」でした。ここを訪れた時に、何処かで見たような ことがあるな?と思いつつもそのまま、過ぎました。

 先日、古いスケッチを整理していると、出てきたのが右の一枚でした。 何処か似ていると思いませんか。そっくりとは言えないまでも、よく似ているのです。
 東平哲弥氏とも、見たような会場の建物だと、語ったりしたこともありました。
 あまり、大したことではない事なので、「記事にするまでのことでは・・。」 一笑に
伏されれば、それまでのことなのですが、閲覧する方には、大変、恐縮に思いますが
お付き合いください。


 右の絵は、7,8年前、いや、もっとかもしれませんが、幼いころから見慣れ、遊び興じた
通りの一つの佇まいである、懐かしさをとどめる建物。「キリスト教の教会」だったのです。
大きな教会だけでなく、ここ、長崎には、歴史的にも、小さな町にさえも、幾つもの教会が
あるのです。

幼い頃の、うろ覚えの記憶では、門札には、書かれていたように思います。
 戦時中~終戦直後ぐらいまでは、キリスト教というと、迫害され、ひどく世間では
嫌われたものでした。その後、咽喉科医院?になって、明治・大正時代の建物である
ということは、聞かされて、知っていました。

 時が過ぎ、人が住んでいるか、いないのか、はっきりしない中、老朽化が進み、解体作業が
始まるという噂話が、出たのでした。これも、ハッキリしないのですが、7、8年前のこと?。
 この通り一帯は、お寺さんに燐して、長崎でも古い町屋が、多く立ち並んでる所で、中でも
ポツンと一軒、珍しく洋風で、花枝・蔦で覆われた、エキゾティックな建物でした。


 残しておくべき建物だと、思ったのは、多くの人達が・・・。 
 小生一人では、ないはずだと、思います。 
 「それじゃ、残しておかねば」という、思いから、近くの町屋の商店街と、一緒にスケッチ
したものの一枚でした。 

 現在では、取り壊され、ビル、マンション、駐車場とガラッと、豹変してしまいました。
隣の通りに、昔の風情の残る町屋があるんですが、住民の強い願いで、どうにか町屋
として残されるようになりました。それもたった一軒。 でも、ほっと、安心したことでした。

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聞くところによると、長崎の祭の代表、-日本「三大祭りのお宮日」-に所縁のある家だから
という、理由によるということだそうです。「長崎さるく会」の案内の一つとして必要になった。
お宮日くおくんち>という観光資源と関わりが深いので、無くなると、困ることだからだと。
それも、今に至って・・・・です。

 
 これには、マスコミにも責任があるのでは?とも言えます。
 華やかさの部分の報道にばかりに目が行ってしまい、本来の<長崎の保存>の課題を
見失ってると、言えるでしょう。 住民と連携した取り組みが、ぜひ、必要なのです。


 長崎は、目先の観光客目当てではなく、他の府県のように、都市計画の中で、将来を
見通し、保存、景観、遺産、更に、建築物に対しての制限等に、反省を加え、もっと関心
を払うべきでしょう。港の中心付近には、ひとつポカ-ンと超高層ビルが、我が物顔に
そびえ、誰からの目で見ても、明らかに、港の景観を損なっている情況があるのです。

 行きあたりバッタリに、過剰に、目ばえの良い、飾り立てた旧跡、名所は
親しみが無くなり、やがて、信頼をなくしていくことになるでしょう。

 東京に住む、東平氏も口をそろえて、長崎は、ビルが多くなって
「絵を描く場所さえなくなった」「長崎が、泣いている」と、話します。
故郷・長崎を離れ、来崎した人達の多くが、感じることだろうと思います。

 残念なことに、木造洋館、長崎上海銀行、旧イギリス領事館、異人屋敷址、高島炭鉱社
等々、数えると、幾つもあるようです。それが、例え、古い柳の木一本でも、残すべきは
デザイン計画優先だけでなく、もっと、大切に考えるべきでしょう。
 このことは、これまで、小生の前の作品のところでも、主張してきたところです。

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 慣れ親しんできた古い大きな柳がなくなる。整備され、周囲にやせ細の柳が
植えられています。柳一本にこだわるようですが、この柳が、橋のたもとにあってこそ
眼鏡橋に風情と情緒が・・・。
 取り払われた、古木の柳とは、全く、貫録が、違いすぎるのです。            

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案内板 1846年 黙子如水が橋を架けた

 児童美術館を建てた人物は、恐らくこのことを知りえた上で、代わりに建てたのかも
知れない、 そう思ったりします。今現在、この美術館には、多くの人が訪れ、絵本を
買っていくということを耳にします。 この美術館への期待が膨らみます。

 保存には、難しい問題。<時代の流れ><財政の問題>があるというこも承知しています。
 何千億という、大型建設プロゼクトに使うことを見直し、故郷を懐かしいと、思う気持ちを
持ち合えるような、そして、「長崎は、良かばい。」と、感じられるような長崎へと、しっかりした
舵切りが、いるのではないかと思うのです。


 古い歴史のある京都や、石川の金沢とは、いかないまでも、歴史のある長崎・郷土長崎として
の在りよう。< 歴史のあること>に、胡坐をかくことなく、謙虚に、各地から、学び取っていく。

 古くから、長崎は、「文化の窓」と称せられ、そのことが 名実共に、受け継がれていくように願うものです。

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ハマコウ

建物などの文化的なものの大切さ
失ってから初めて気付くと言うことがよくあります
失う前に 保存に心がけるようにしなければ と思います

絵 写真で残っていることはありがたいですね
by ハマコウ (2014-01-17 22:49) 

てっちゃん

ハマコウさんへ
こんばんは。
訪問、ナイス、コメント頂き、ありがとうございます。
by てっちゃん (2014-01-17 23:15) 

てっちゃん

よしあきギャラさんへ
こんにちは、訪問、ナイス有難うございます。
by てっちゃん (2014-01-18 15:43) 

maco

はじめまして^^
素敵な絵ですね。
私も絵を描いています。
これからも楽しみに遊びにきます^^
by maco (2014-01-22 10:51) 

てっちゃん

macoさんへ
こんばんは、訪問ナイス、有難うございます。
よろしく、お願いいたします。
by てっちゃん (2014-01-22 21:16) 

てっちゃん

hinami さんへ
おはようございます。訪問、ナイス有難うございます。

げいなう さんへ
初めまして、
お早うございます。訪問、ナイス有難うございます。
by てっちゃん (2014-01-23 10:48) 

(。・_・。)2k

残せる限り
残して欲しいものですよね

by (。・_・。)2k (2014-01-23 15:09) 

Silvermac

大分前のことですが、生まれ育った近辺に行ったら、すっかり変わっていましたが、しかし、お地蔵様や倉庫などが残っていました。
by Silvermac (2014-01-23 16:03) 

てっちゃん

(。・_・。)2k さんへ
初めまして、訪問、ナイス有難うございます。

Silvermac さんへ
訪問、ナイス有難うございます。変わりように驚かれたことでしょう。
幾らかなり、残っていたのが良かったですね。

by てっちゃん (2014-01-23 21:36) 

てっちゃん

ネオ・アッキ- さんへ
初めまして、訪問、ナイスありがとうございます。

ケロヨン さんへ
初めまして、訪問、ナイス有難うございます。
by てっちゃん (2014-01-24 09:15) 

てっちゃん

ミモザ さんへ
訪問、ナイス有難うございます。

寂光 さんへ
訪問、ナイス有難うございます。
by てっちゃん (2014-01-27 09:11) 

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